先日の日曜日、和歌山県紀の川市名手にあります、「青洲の里」をおとずれました。
「医聖 華岡 青洲(はなおか せいしゅう)」は、文化元年(1804年) 世界初の全身麻酔による乳がん摘出手術に成功したお医者さまです。
「華岡 青洲の妻」という映画やドラマをご存知の方もいらっしゃることと思いますが
お母さんと奥さんによる献身の人体実験を経て、6種類の薬草からなる麻酔薬がをつくられました。
青洲が創設した「春林軒」は、彼の医術を学ぶ門下生が集う医学校であり、多くの治療をのぞむ人々の
ための診療所としてたいそうにぎわい、当時、その前には各地からの患者のための旅館があったそうです。
青洲はみずから約千人の門弟を指導したといわれ、華岡流医術は広く世に知られました。
復元され、展示されている春林軒の建物は9棟からなる施設で、看護婦宿舎や手術をひかえた患者のための
入院室などがあったそうです。
約200年の昔、紀の川がながれるのどかな場所にこんな診療所があったなんて
信じがたいことのように思われます。
訪ねてみてわかったことは、青洲先生は、いつも多くの門下生に「ひとりひとりの患者の話しをよく聞いて
処方することが大切である」と説かれていたそうです。
また、医学の面だけでなく、干ばつに苦しむ農民を救うために私財を投じてため池をつくったりもされたとのこと、
「医聖」といわれるゆえんが納得できました。
京都からは少し遠い 華岡 青洲 生誕の地ですが、たいへん感銘をうけ、充実の一日でした。
嵐山店 みさお & ひろみ