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安藤漢方薬局ブログ

自然薬『松寿仙』3つの生薬 その3

本日は薬用人参(オタネニンジン)を紹介します。

ウコギ科パナックス・ジンセングの根です。

強壮薬として使われる四大人参のひとつで、主な原産地は朝鮮半島と朝鮮民族が多く住む中国の東北地方です。

パナックスとは「すべてを治療する万能薬」という意味のギリシャ語で、ジンセングは中国語の「人参」の発音からきています。

日本に入ってきた時、大変高価なものだったので、江戸幕府が人参の栽培を諸藩へ奨励した際、種は「御種」と呼ばれ、それが日本名オタネニンジンの由来になったそうです。

20種類のサポニンを含有しており、代表的な補気薬です。

疲労回復して抵抗力を高める。体を温めて新陳代謝を活発化。血液の流れをスムーズにし、胃腸の働きを助ける。神経・精神を安定させ、強心作用があります。

疲労・体力低下・記憶力低下・冷え症・胃腸虚弱・性機能低下といった場合によく使われています。

                             嵐山店 ひかり

自然薬『松寿仙』3つの生薬 その2

本日ご紹介するのは、赤松葉です。

マツ科の常緑針葉樹で、赤褐色の樹皮のためアカマツと呼ばれています。

生薬としては、幹の皮をはぎ、傷をつけて染み出てくる松脂(しょうし:まつやに)、松の実の海松子(かいしょうし)、新芽の松葉とそれぞれ利用します。

古くから「仙人の食」といわれ、仙人の修行の際、五穀を絶って主食として松葉や松実を食したことから、不老長寿が得られると言い伝えられ、手足のしびれや麻痺、関節痛、湿疹、胃炎、浮腫、心筋梗塞・動脈硬化・脳卒中・認知症の予防、虫歯、歯槽膿漏、便秘にと幅広く活用されてきました。

クロロフィル・テルペン精油・ビタミンA・ビタミンC・ビタミンK・ケルセチン(フラボノイド)などの成分を含有しています。

なかでもクロロフィルは養血・活血作用があり、テルペン精油には血液内のコレステロールの除去や固まった血液を溶かす作用があり、ケルセチンとビタミンCには血管壁を強くする働きがあります。

                             嵐山店 ひかり

自然薬『松寿仙』3つの生薬

松寿仙を構成している生薬はクマザサ・赤松葉・薬用人参(オタネニンジン)です。

それらの生薬の特性ついて3日間に分けて一つずつご紹介いたします。

まず最初は、クマザサです。イネ科の常緑竹で、古くから万能薬として使われてきました。

葉緑素・フラボノイド・リグニン・安息香酸などが含まれ、解毒作用・抗酸化作用・抗菌作用・防腐作用・止血作用などを併せ持っています。

安息香酸の殺菌・解毒作用は、ピロリ菌や黄色ブドウ球菌などの発生や増殖を抑制し、胃潰瘍や十二指腸潰瘍・胃炎などの胃腸症状の改善が期待でき、葉緑素は、血液中のヘモグロビンの働きを助けてくれる為、貧血の予防や改善が期待できます。

フラボノイドにはコレステロールを吸収する働きがあり、リグニンや葉緑素にはコレステロール値を安定させる働きがあります。

抗酸化作用がある為、免疫力を高めたり血栓を作りにくくしたりして、コレステロール値の上昇を抑制したり、血圧を整えたり、動脈硬化の予防も期待できます。

クマザサは、喘息や風邪、胃腸トラブル、糖尿病、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病から、ニキビや口臭、歯肉炎の予防改善まで、幅広く活用されています。

                             嵐山店 ひかり

台風接近!不調に注意

本州に台風が接近していますね。

また、梅雨入りも近いとニュースで言っていました。

このような時期に起こりやすいのが、頭痛やめまいといった「天気痛」です。

湿度が高くなると体内に余分な水分がたまりやすく脳(内耳リンパ)がむくむので、このような不調が起きやすくなります。

漢方では、身体にとって不要な水分を排出する働きを「利水作用」と呼び、体内の水分量に応じて、その量を調節するように働きます。

生薬の中では、茯苓や白朮といった利水作用のあるものがよくつかわれます。

また、生活養生として、ほどよく汗が出るくらいの適度な運動を心がけましょう。

適度な運動はストレス解消だけでなく、耳の血流の流れを改善して症状を和らげることにつながります。

                             嵐山店 ひかり

ドクダミ(ジュウヤク)

庭に、十薬の白い可憐な花が咲きました。

あまりにも可愛いので、牧野先生をマネして描いてみました(^_^)v

ジュウヤク
ユキノシタ

~自己免疫疾患のご相談は京都 嵐山・桂の安藤漢方薬局まで~

                             嵐山店 みさお

免疫機能の維持を考える

ある企業が、小学校6年生を対象にして免疫機能の維持の重要性を教える授業をしているそうです。

コロナウイルスの分類が5類に移行されましたが、幼い頃にマスク生活を余儀なくされた子供たちにとっては、マスク生活が習慣になってしまっています。

先日、地域の小学校の行事に参加した際も、マスクを外している子供が少なくて驚きました。

大人が思っている以上に、コロナ禍での生活は子供たちに大きな影響をもたらしていると思います。

コロナウイルスのような新型のウイルスに対しては、過剰な対策をしてしまうことは、一定時期ではやむを得ないかもしれません。

しかし、本来、私たち人間はウイルスや細菌と共存して進化してきました。

3年前には東京大学の研究チームが、健康な人の全身に少なくとも39種類のウイルスが居ついていることを突き止めた、と話題になりました。

インフルエンザウイルスのように潜伏期間が1~4日くらいのものだとすぐに発見できますが、健康な人の身体の中に「常在」して、何十年も潜伏し続けるウイルスもあります。

免疫細胞が少なく比較的寿命の長い神経細胞などに感染し、神経節の中に潜伏していて、疲労や加齢で免疫力が下がると動き出して悪さをするとされています。

身体の各臓器で見つかった常在ウイルスには、ヒトヘルペスウイルス7や帯状疱疹ウイルスだけでなく、RSウイルスやコロナウイルスの一種などもあったそうです。(もちろん個人差はいろいろですが)

私たちが生きていると同時に、ウイルスも、生物の細胞に取り付いて自らの遺伝情報を残そうと懸命に知恵を絞っているのかもしれません。

マスクやアルコール消毒をしていても、ウイルスをゼロにすることはできません。

とくに、外気温がどんどん高くなる季節は、大人にとっても子供にとってもウイルス以上に熱中症に留意していただきたいです。

そして過剰な感染症対策が、心と身体をむしばんで、感染症に弱い体質をつくっていないだろうか、と考える必要もあります。

何かあってから慌てるのではなく、日頃から免疫機能の維持を意識することが大切です。

元気な血液が身体の隅々まで巡ることで、免疫の力を正しく保つお手伝いができます。

                             嵐山店 ひかり

葵祭

昨日は、4年ぶりとなりました葵祭が挙行されました。(本来は5月15日に行われますが、気象状況により翌日に順延されました。)

この祭礼はもともと賀茂祭と呼ばれ、起源は約1400年前(欽明天皇)の頃にさかのぼります。

その昔、凶作による飢餓・疫病が流行したため、天皇が勅使をつかわし「鴨の神」の祭礼を行ったのが起源とされます。

江戸時代になると装飾のために葵の葉を使うようになり、葵祭という呼び方が定着したそうです。

本来は勅使が下鴨、上賀茂両神社で天皇の祝詞を読み上げ、お供えを届けるのが目的のお祭りですので、久しぶりの祭礼のため上皇ご夫妻が入洛されたことは、意義深いことと思います。

私はテレビで拝見しましたが、祭礼に使用される装束の着付けや調度などは平安時代の文物風俗を忠実に再現されているそうで、特にいつも注目される斎王代の雅な美しさにはため息がでる想いがしました。

このように歴史あるお祭りが、再び催行されるようになったことを嬉しく感じます。

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                             嵐山店 ひかり

立夏

春分と夏至の中間にあたる頃で、新茶の美味しい季節ですね。

緑茶は血圧を下げ炎症をおさえてくれます。

しかし、涼性なので飲みすぎないようにしましょう。

気温も段々と高くなってきましたが、胃腸を冷やすと消化不良や下痢、身体のだるさが起こりやすくなるのでお気を付けください(*^^*)

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伝統生薬の学術研修

昨日は伝統生薬の学術研修に参加してきました。

約3時間、黄帝内経・本草綱目・神農本草経などの古典を紐解いての講義でした。

沢山の内容の中で特に印象に残ったことは、

◆センソはアジヤヒキガエルの耳腺の分泌物を乾燥させたもので強心作用に優れている。

心臓に負担をかけずに心筋収縮力を高め、心拍出量を増加させる物質ですが、作用後は速やかに代謝されます。

◆腎陰虚と腎陽虚の違い:腎には腎陽と腎陰が蓄えられています。

腎陰は陰液の根源:腎陰は予備として蓄えられた水分のもと⇒津液の源

陰陰虚(のぼせタイプ)

頭のふらつきやのぼせ、イライラ、不眠、耳鳴り、口や皮膚の乾燥、のどの痛み、頬の紅潮、腰がだるく無力、手足の熱感、寝汗

腎陽は陽気の根源:腎陽は生命力を体内に供給する原動力となるもの ⇒熱源

腎陽虚(冷えるタイプ)

寒がり、手足が冷える、夜間尿、浮腫、腰がだるい、痛む、精力減退

◆膠原病

膠原病は皮膚、骨、血管、内臓などを形成するタンパク質の一種である‘コラーゲン‘に炎症や変化が生じることによって全身の様々な臓器に病変を引き起こす病気の総称。線維化が特徴。

など興味深い事柄がたくさん聴けました。

店頭で、お客様の訴えにより耳を傾け、問診・ご相談に生かしていきたいと思います。

嵐山店 みさお

大徳寺「金毛閣」

先日、大徳寺の特別公開に行ってきました。

大徳寺は、鎌倉時代末期に創建されのちに北朝の花園・南朝の後醍醐の両天皇の勅願所となり、嘉暦元年(1326年)法堂完成と同時に、龍宝山大徳寺と命名されました。

ご存知の方も多いと思いますが、大徳寺の広い境内には現在も約27の塔頭があり、塔頭ごとに季節の特別拝観が行われています。

今回の特別拝観は、大徳寺の山門・唐門・仏殿・法堂を間近に観ることができるはじめての機会とのことです。

朱塗りの山門「金毛閣」は、かつて千利休が2階の楼上に自身の木像を置いたことで豊臣秀吉の逆鱗に触れ、利休切腹の一因になったといわれています。

普段は閉ざされている門ですが、説明後に、その金毛閣を通って仏殿へ。

中国風伽藍の仏殿内の拝観は今回が初めてとのことです。

法堂の天井には、狩野探幽筆の龍が力強く踊っていました。

最後に、国宝の「唐門」をじっくりと見せていただきました。

極採色の彫刻や金具があしらわれた豪華さ、壮麗なことは見事です。

もとは、聚楽第にあったものを明治時代にこの場所に移建され、日光東照宮 日暮門の模型になったといわれます。

長い歴史の中で、何度も焼失したり移築されたりしながら、今日までこのような建造物が在り続けていることに感動をおぼえます。

この大徳寺本坊の伽藍特別公開は、2023年6月4日まで。

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                             嵐山店 みさお