「かぜは万病の元」と言いますが、「かぜ」は単一の疾患ではなく、医学的にはかぜ症候群といい、主にウイルスが鼻や喉などに感染して起こる上気道の急性炎症の総称です。
通常は数日~1週間程度で自然寛解するとされます。
かぜの約8割はウイルスの感染が原因ですが、それ以外に細菌の感染や、まれに冷気や乾燥、アレルギーのような非感染性の要因による場合もあります。
細菌は栄養があれば自分自身で増えていきますが、ウイルスは人の細胞の中に入り込み、その細胞の中の材料を使って増殖します。
大きさはウイルスが圧倒的に小さく、細菌の100分の1程度といわれます。
ウイルスは「低温」と「乾燥」が大好きです。
ウイルスは一般的に温度が低い方が活発化して増えやすくなる種類が多いといわれています。
例えばかぜの原因となるライノウイルスは32~33度で増殖しやすくなります。
人間の体温はもっと高いですが、低温気には鼻で息を吸うときに冷たい外気にさらされるなど鼻孔の温度が32~33度程度になることがあります。
そのために鼻の奥でウイルスが増えてしまい、かぜの症状が出るというわけです。
そして、乾燥によってかぜから体を守る私たちのバリア機能が弱まります。
バリア機能とは口や鼻にある粘膜のことです。
ウイルスや細菌などの異物が入ってこようとすると、まず粘膜がそれらをキャッチして、体に入ってこないように守ってくれます。
粘膜からは常に粘り気のある粘液が分泌されており、その粘液に捕まえられたウイルスは繊毛運動の流れによって、粘液と一緒に咳や痰として体の外へ排出されたり、飲み込まれて胃液で分解されます。
繊毛というのは粘膜にある髪の毛よりももっと細かいもののことです。
その繊毛が嫌いなものが乾燥です。
乾燥によって粘液が少なくなり、繊毛の動きが鈍くなります。
ですので、かぜを予防するために特に寒い時期は、体を温めることと乾燥対策がとても大切です。
嵐山店 ひかり
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